Classic Range Rover      レンジニアス整備実例ページ

「新しいものは、切りがない....多くのモノに当てはまることかもしれない。
いつまでも変わらない世界観を求めて、たどり着く”ザ・レンジローバー”


誕生は1970年になりますが、日本でおよそ走っているのは1990年代のモデルがほとんどです。もともとサスペンションはコイルで1993年モデルからエアサスペンションが開発され装備されました。
ディーゼルモデルよりは圧倒的に多いのがガソリンエンジン。
 
日本で登録されているクラシックレンジローバーの主な型式は
 
E-LH38D(〜1993)前期V8 ベースグレード
E-LH40D(1993~1994)前期バンデンプラ
E-LH36D(1995〜1996)後期V8 ベースグレード
E-LH40D(1994〜1996)後期バンデンプラ
 
前期モデルの魅力は何よりも内装ではないでしょうか?

大きなステアリングホイール。
ダッシュボードに長く伸びるリアルウッド。
直線的なコンソール類。量産をあまり考慮していないパーツデザインに温かみを感じます。
 

 

後期モデルになると
エアバックが装備され、マニュアルエアコンシステムが導入されます。
それに伴い1970年以来変わらなかった内装デザインが一新され、乗用車として利便性の高いものへ変化していきます。
「前期のフラットでシンプルな方がいい」というファンも多いですが、
エンジンの整備性もやや上がり、維持しやすいのは後期モデルの方かもしれません。 

メンテナンス/整備/維持について

●エンジン


ベースグレードの4Lとバンデンプラの4.2Lがありますが
デストリビューター方式の点火系の整備がもっとも注意が必要な箇所でしょう。
コイル、イグナイターモジュール、デストリビューター、ローター....
ベースアイドル調整を正確に行って、ボディハーネスの劣化や熱による抵抗増大を考慮して、オーナー自身も知識を持って、状態の認識をある程度しながら維持していくことが健全です。オルタネーターも最大で100Aと、その後の2ndレンジや3rdレンジの150Aと比べたら発電量も低いので、それ補うための大容量バッテリーへの交換や、車内での同時消費電力を抑えるなどエンストさせないためのポイントを押さえつつ乗っていくこともオススメです。イグナイターモジュールはデスビ横に付いてますが、熱の影響を改善した対策キットがあるので移設がオススメです。
 

足回り/乗り心地


ラダーフレームに前後リジット式。
緩衝装置ではショックアブソーバー以外のブッシュ類の役割も非常に大きいです。リアAアーム、ラジアスアーム、パナールロッドなどのブッシュ交換で相当な改善がされます。
 

●ミッション/トランスファ/デファレンシャル

10万キロを超えている車両が多いので、ATミッション、トランスファ、デフの状態もさまざまです。シフトショックが大きいものや、引きずるような異音がトランスファから出たり、デファレンシャル異音などが発生しているものも珍しくありません。ATのリビルト、トランスファのビスカスカップリングやデフのベアリング交換などで改善が見込めます。
クラシックレンジローバーのパーツはそう高くはないので、どこかのタイミングで一新するのが良いかと思います。 
 

●ヒーター、クーラー関連


排ガスシステムは元々はR12ですが、充填ガス缶の流通も少ないので、R134aに交換がオススメ。A/Cコンプレッサーを交換することなくレトロフィットキットで変更可能です。
よくあるトラブルとしては
:コンプレッサー本体や高圧/低圧ホースの経年劣化でのガス漏れ
:コンデンサやレシーバー、エキパンの詰まりでクーラーの効きが良くない
:ブロアモーターのレジスター不良で送風切り替えができない
など、それなりのトラブルはあります。製造終了しているパーツも多いですが、ホース類のワンオフ修理もできるのでまだまだ諦めずに乗っていけるクルマです。
 

●エアサスペンション


1993年モデル以降はエアサスペンションが標準装備されています。空飛ぶじゅうたんの様な乗り心地と評される機構がこれです。段差での突き上げの柔らかさはコイル式と比べたら
優雅さは圧倒的です。製造終了のパーツも多いですが、バルブブロックとドライブボックスは、レンジニアスでは2ndレンジローバー用のものを加工して使うようにしています。
 
その他、レンジローバーの事ならなんでもお聞きください。
20年を超えたクルマですが、レンジニアスの統計とノウハウは常に更新し続けています。