エンジンチェック
まずはアイドリングの様子を見る事、そして異音がしないかを確認する事が大事です。特にエンジンかけ始めの様子を見る事でいろいろなリスクが見えます。4000回転位まで吹いてみる事も大事です。

※後期型の特徴としては、3000回転ぐらいまで吹いた後に回転が戻る時、1300回転位で一度ゆっくりになる事です。これは燃費向上のひとつの仕組みです。アイドリングは多少の振れがある車両もありますが、座席下から強い振動を感じたり、エンジン音と共に安定してない場合は大きな劣化箇所がある場合があります。また特定の回転の所からタコメーターが上がりにくかったり、異音がしたりする場合も劣化現象のひとつです。(エアマス不良等)
「中古車はこんなもんでしょ」というのは禁物。修理費用はバカになりません。
メーター液晶内メッセージ表示や警告灯

FAULT,FAILURE等のメッセージ出ていないかを確認しましょう。
またエンジンを始動すると、SRSやTCは消えて、警告灯はABSだけ残ります。(ABSは10〜20m程度走行すると消えます。)
エンジンルームを開けて見る。オイル漏れ、駆動系のガタツキ、異音
車の心臓部はエンジンルームです。パッと見の綺麗さに決して惑わされず、しっかりと見るべき所を見ましょう。
オイル漏れ

一番多いのは前期後期ともにタペットカバーからのオイル滲み
リスクとしては点火プラグへの引火等がありますが程度にもよります。
●次にインテークマニホールドからのオイル滲み漏れ。
ちょうどエンジンの上下真ん中あたりになります。アイドリング不調の大きな原因になるのと、クーラント液の通り道。注意が必要です。
●フロントカバーからのオイル漏れやクーラント漏れ
ウォーターポンプが接続している所です。この辺りからクーラントが滲んでる場合はガスケット類の交換が必要です。
クーラント漏れ
後期モデルスロットルヒーター冷却水漏れ冷却タンクから辿って、ホース、ラジエターへの接続部分など、漏れの多い箇所があります。また運転席下のセンターコンソール脇からのクーラント漏れもチェックしましょう。
ヒーターコアマトリックスからの漏れが心配されます。タンクの液量が少なすぎる場合は理由を究明するべきです。

駆動系の異音、ドライブベルトの亀裂等
劣化した前期型ドライブベルトウォーターポンプがキュルキュルなっていたら、即要交換状態です。プーリーや、テンショナーからも異音が出てる車両もあります。そしてドライブベルト。エンジンを止めて亀裂がないかチェックします。またラジエターファンを手前に押してみてプーリーにガタツキがないか見ます。少しでもガタツキがある場合は即交換が必要です。

歪みやボンネット裏に焼き付きがないかチェックする。オーバーヒート歴のある車両は後遺症が残ってる場合が多いのでこれも注意です。
ヒューズボックスを開けてみる。
リレーに焦げがないか、下の基盤に亀裂や割れがないかをチェック。
エアコン不良の原因がリレー劣化の場合も多々あります。
ATミッション劣化不良
シフトレバーをリアに入れると時間がかかる。結構ショックがある。入らないときがある。
そういう症状がある場合はATミッションの劣化が考えられます。
デファレンシャル異音
また走行中に下から轟音をする場合もあり、デファレンシャル内のベアリング劣化が激しい車両もあります。

ブレーキアキュムレーター
2ndレンジローバーにはブレーキポンプの他、アキュムレーターという丸い部品が取付けられています。
ブレーキを何度か踏むとジーっと圧を貯める音が運転席前方辺りでします。
通常は4回程踏むとジーッと言う音が鳴り、圧を貯めます。これが少しずつ消耗すると1回踏んだだけで音が鳴るようになります。その場合は交換時期に来ています。これを放っておくとブレーキが効きにくくなるばかりかブレーキポンプも壊れてしまいます。
ステアリングダンパー
ハンドル操作をする時に働く、ステアリングダンパー。劣化するとまっすぐ走行していても左に寄ってしまいます。またコーナリングの後の戻りが悪くなります。
ショックアブソーバー
走行距離やオフロード走行歴にも寄りますが、段差を超える時に跳ねるようになったり、轍を超える時にハンドルを奪われるようであれば交換時期です。
ドライブシャフト

ハンドルをめいいっぱい切った時、ガキンと音がするようであれば、ロットASSYの交換時期です。下回りをチェックするときはブーツ割れを見る事も大事です。
(合計8カ所のブーツが良く破れています。)
2ndレンジのエアサスは魅力であり、弱点でもある
EAS FAULT(エアサスフォルト)が出ない劣化も多い


標準モードから各モードへの動作確認をする。

重要なのはエンジン掛け始めの動作。数秒で標準モードになれば正常ですが、時間がかかるようであれば極度のエア漏れ等の不具合も懸念されます。一番低いアクセスモードから、ハイモードまで動作テストをするべきです。スムーズに上がる事も大事ですが下がる事も大事です。
(※エアサス動作は全てのドアとリアゲートが閉まってる状態じゃないと動作しません。)
アイドリング時にピョコピョコしないか見る。
エアサストラブルはスプリングだけではありません。
エアサスコンピューターであるECU、ハイトセンサー、バルブブロック、ドライブボックス、ドライヤー、エアサスポンプと故障の原因になる箇所があります。
アイドリング時に変な動きが続けて起きないか確認します。
エア漏れについて
4本のスプリングからのエア漏れはもちろん、エア漏れは、バルブブロックからホースへの接続部分、スプリングの入り口Oリング、コレット付近からとあちこちあります。3rdレンジローバーに比べると精度は低く原始的とも言えます。神経質になりすぎるのもストレスが溜まりますが、
メーカー(ディーラー)のガイドラインとしては
「エンジン停止時に車高が落ちていても数秒で上がる場合は様子見。数秒で上がらない場合には点検整備を検討」ということを覚えておきましょう。
2ndレンジのエアコンも要注意箇所

コントロールパネル液晶のブックマーク出現は、なんらかの故障
エアサスに続いてエアコンも要チェック箇所。
まずはセンターコンソール下のエアコン液晶の右下にエラーを示すブックマークがないか確認すること。出ていれば何かしら問題があります。
すぐ治るものからダッシュボードを外してパーツを交換しないと治らないものもあります。
試乗時に必ず行うべきチェック
ブックマークが出ていなくても潜在的なエラーもあるのでちゃんとチェック。
設定温度通りに温風冷風がすべての送風口から出ているか?
弱風、強風が設定通りに出ているか?
下に表示されてる外気温は正しいか?
エアコンエラーを引き起こすパーツも数多い。
ブロアモーター左右(風量調整)ブレンドモーター3カ所(温度調整)
A/Cコンプレッサー(全般)
ヒーターコア温度センサー(別途対策品が出ています。)
内外気切り替えモーター
イエローリレー
コントロールパネル本体
箇所により修理工賃やパーツ代は大きく違うので、何がおかしいのかなるべく認識したいところだ。
ヒーターコアからのクーラント液漏れ
運転席下のセンターコンソール脇からクーラント液が漏れていたり、漏れ跡がある車両もあります。これはヒーターコア本体、または、接続部分のOリングから漏れてる事が多く、即修理の必要があります。
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